【山本幸史・オレに任せろ】

 KEIRINグランプリ(GP)の歓喜から170日、武田が相性抜群の岸和田バンクに舞い戻ってきた。昨年のGPで競輪界の頂点に立ち、09年の日本選手権では待ちに待ったG1初優勝を決めている。直前の取手G3では準決で押圧失格と判定されて無念の途中帰郷となった。この流れを断ち切るのに、岸和田ほどふさわしい舞台はない。

 GP覇者としてのこの半年間について聞いてみた。「まあ、よくできていると思いますよ。前半戦のヤマ場は日本選手権だと思っていた。決勝には行けたからね」と振り返る。G2の共同通信社杯はよもやの1予敗退にはなったが、G1に限れば全日本選抜も日本選手権も初日は必ず連に絡み、いずれも決勝行きを決めた。GP覇者は初日から文句なしに買いだ。

 地元取手G3前には、ぜんそくの症状に苦しんだという。だが、フタを開けてみれば初日特選は打鐘前からの突っ張り先行で押し切り勝ち。目標がいることが多くなった今「先行選手」武田を感じられる、気迫の走りにしびれた。

 前を託すのは盟友平原。まくりにさばきと何でもできる平原が「このままではG1を勝てない」と、試行錯誤に取り組んだという。「実戦で、このクラスでどれだけ出せるか」と、初日から新田祐大を相手に真っ向勝負に出る構えだ。先行も含め、前へと踏んでいけば、最後は4角番手の武田の出番になる。3連単は(1)から(3)(9)(2)(7)(8)に流す。