【山本幸史・ヤマを張れ スペシャル】

◆12R：青龍賞

経験を積んだ松井宏佑のまくりが、東北4車の牙城を崩す。東予＜2＞2R。早めに押さえた新山に突っ張られる絶体絶命の展開。以前なら後方に下げてしまった松井は、自ら中団4番手を確保するヨコを繰り出した。さらに、4番手まくりをさく裂させた。

競技を引退して競輪にシフトする中、かねて「ヨコを勉強したい」と口にしてきた松井の新たな姿を見た。「直前に体調を崩したけど、思ったよりも自転車が進んでいる」。初戦の東予＜1＞でも成田に1度はまくりを止められながら、最後まで踏みやめなかった。スマートな「ケイリン」で鍛えた豪脚を、泥くさい「競輪」でも発揮できるようになった。

別線の思惑からも展開が見えてきた。東北4車の先頭である新田は2日間、先行で勝ち上がった。ただ、2走目は、坂井が中団にこだわって逃がしてしまった。レース後「いいレースじゃなかった」と坂井は反省しきり。関東の総大将である平原を連れて、同じ失敗はできない。関東が逃げて新田が構えれば、松井と郡司は中団を確保できる。新田のまくりに合わせて松井が踏み込む。郡司を振り切ってしまうほどの伸びを期待した。

3連単は（4）＝（3）－（5）（1）（7）（9）（6）。