【ヤマコウの時は来た!】

 33バンクの走り方が、松戸オールスターから変わってきている。まず、レース展開が異常に早い。残り3周から動きだしている。しかも赤板から残り1周のラップが、19秒を切るレースが多い。基本的に脚力がないと付いていくだけで終わってしまう。ベテラン選手には苦しい時代になってきた。

 2予Aで注目するのは9Rの早坂秀悟。初日の日競選理事長杯は、新田祐大の後ろを回ると思ったら、まさかの前回り。「新田の後ろは回れませんよ」と謙遜するが、Gクラスを優勝する機は熟してきたと思う。

 以前、彼と「早坂とはどんな選手なのかを分かってもらわないと駄目だ」という話をよくしていたが、優しいメガネクチビルモンスター顔とは違い、レースの気性は荒い。これが早坂の持ち味だ。

 うまくいきそうでいかないのが競輪であり人生だ。調子がいいと展開に恵まれ、そうでないと恵まれないことが多々ある。今の彼は、以前に比べて迫力はないが、どの選手も早坂を警戒している。

 「他地区の自力選手の番手は回りたくない」と言う山ちゃん(山崎芳仁)は、自分が北日本のエースということを無意識のうちに分かっていると思う。向日町G3の決勝で吉沢純平の後ろが空いていたが、全く興味を示さなかった。

 そんな山ちゃんと同乗し、早坂もやる気十分といったところだろう。積極型がそろったこの一戦は、早坂のイメージと戦わせつつ、1着を狙えるメンバーだ。

(日刊スポーツ評論家・山口幸二)