いよいよ最終12Rでファイナルを迎える。ヤマコウ(山口幸二氏=日刊スポーツ評論家)は2段駆けを用意する茨城勢を本線に推した。軸は3番手を固める武田豊樹だ。

ヤマコウはベテラン復活を期待して武田豊樹を本命視
ヤマコウはベテラン復活を期待して武田豊樹を本命視

2日目の小倉竜二の動きに続いて、準決の松浦悠士にはしびれた。打鐘、全力で踏み込む渡辺豪大を巻き返すのは苦しいのか…と思って見ていると、最終ホームであっさりと前団を飲み込んだ。前日大活躍のオグでさえ、あおりを受けてバックから離れる。

その仕上がり抜群な松浦に加えて、骨のある選手が決勝に勝ち上がった。特に関東ラインが気になる。吉沢純平-杉森輝大-武田豊樹の並びになったことだ。吉沢と武田は師弟。そこに割り込むのだから、吉沢が先行したら杉森としては、他地区の選手に優勝されることは絶対避けたい。松浦と実質2分戦なのだから、先行意欲が強い方が先手を取れる。そう考えると関東勢が有利だ。横山尚則が「今でも武田さんと話すときは緊張する」と言っていた。それだったら、今開催同じあっせんなので、皆緊張しっぱなしではないか! 武田の偉大さがよく分かるエピソードだった。

その武田だが、準決の走りは底を脱したように見える。道中に余裕を感じるのだ。「昔と違って、燃え上がるようなことがない」と自嘲気味に話していたが「追い込みは、見た目とは裏腹にとても奥の深い世界で面白い」と意欲的に取り組んでいる。骨盤の痛みも引いて練習では手応えを感じているので、そろそろ結果が出てもいい頃だと思う。