レジェンドレースで勝負師の顔に変わったヤマコウ
レジェンドレースで勝負師の顔に変わったヤマコウ

レジェンドレース、いやー、しんどかった。4日目5R終了後にエキシビションとして実施。全開でもがいたのに、VTRで見たらむちゃくちゃ遅くてびっくり。しかも、中野浩一さんの誘導もむちゃくちゃ遅く、老体の私たちを考えてくれたのだろう。バイクで軽快に踏む中野さんがうらやましかった。吉岡稔真の先行は、脇本雄太ばりだった。

レジェンドレースの誘導に向かう中野浩一氏(撮影・山本幸史)
レジェンドレースの誘導に向かう中野浩一氏(撮影・山本幸史)

準決12Rの脇本のハロンは古性優作によると、打鐘からホームが10秒5、ホームバックが10秒5、残り200メートルが10秒4、驚異的な上りタイムだ。番手の古性が悲願の初優勝を飾るには、この脇本を差さなければいけない。

決勝インタビューでは何回も「脇本さんと走ることだけ考えて取り組んできた」と言っている。具体的にどんなことだろうか。「脇本さんと走る時は、長い距離をもがくことと、空力的に考えて走っている」と何回も空力と言う言葉を口にしていた。以前に村上義弘が「F1マシンの後ろを走っているみたい」と例えていたが、まず風の抵抗をなくし、脚力の消耗を防ぐことが4角の差し足につながる。脇本は常々「GPにどれだけ近畿の選手を乗せることができるかが勝利の鍵を握る」と言っている。このオールスターも、そう考えているだろう。

ヤマコウ(左)は決勝進出を果たした古性優作に直撃
ヤマコウ(左)は決勝進出を果たした古性優作に直撃

原田研太朗は自ら前を志願した上に、準決は島川将貴を番手まくりして決勝入りを決めた。ならば先行勝負だろう。脇本は原田に行かせて打鐘カマシ。原田マークの松浦悠士、中団の山田英明を越えるには、最終ホームまでに出切りたい。脇本は早仕掛けになるだけに、古性がとらえるチャンスは十分ある。(日刊スポーツ評論家)