浅井康太の400勝記念式典はファンの温かい声援に包まれた。浅井にとって別府は特別な場所。「忘れることはないと思う」と言う19年全日本選抜の悪夢を拭い去る、思い出深いイベントになっただろう。

◆12R:決勝 福岡勢の間に中川誠一郎が入り、盤石の態勢で九州の牙城を守ろうとする。シリーズリーダーである松浦悠士の走りは初日から「最終バックを取る」と言うコメント通り素晴らしい。決勝も前受けからホームカマシを狙ってくるだろう。

ヤマコウが決勝で本命に推す小倉竜二(右)と松浦悠士
ヤマコウが決勝で本命に推す小倉竜二(右)と松浦悠士

番手の小倉竜二の出来はどうか。初日、松浦を残し気味に抜きにいったところを、古性優作に差され2着。2日目は、まくり追い込む阿竹智史の外を抜き2着。本来なら4角から内に切り込むが、後ろの山中貴雄を気遣ったのだろう。3日間とも4角から余裕を感じる。

では、松浦との連係をどう考えているのだろう。松浦の初日の走りから「競輪祭準決(小倉が落車して松浦は失格)の分まで頑張るという気持ちが伝わってきたので、それに応えたかった」と言っている。2人とも、利己より利他の精神で走っているから、信頼関係が生まれる。ならば決勝も、その気持ちで2人は走るだろう。

最大の難関は北津留翼と中川の2段駆けの上を行くこと。古性、浅井は北津留の番手を狙っているかもしれないし、岩本俊介も、このメンバーでまくって勝てるとは思っていないだろう。

混戦になる要素はそろっている。ホームカマシの松浦を、小倉が番手から差して別府G3を締める。(日刊スポーツ評論家・山口幸二)

◆ヤマコウの予想印 ◎(9)小倉竜二 ○(1)松浦悠士 ▲(8)古性優作 ☆(7)浅井康太 △(3)諸橋愛 ※数字は車番