準決12Rの郡司浩平の敗因は、九州勢の出方を見誤ったことにある。先行策もあるかもしれない佐藤幸治を出させた。その佐藤が宿口陽一を出させ、宿口は小松崎大地を出させた。最終ホームで8番手では郡司も焦ったと思う。脚力でなんとか3着に入ったが、薄氷を踏む思いだっただろう。

ヤマコウは浅井康太の地元Vに期待した
ヤマコウは浅井康太の地元Vに期待した

決勝は、地元の浅井康太に期待する。郡司や宿口、清水裕友にラインができて苦しい戦いになるだろう。浅井は「9番手から単騎カマシですかね」と笑っていたが、逆に「どうしたらいいと思います?」と聞かれたので「う~ん」と返答に困った。

雰囲気を変えるため「準決は(平原康多のブロックを)よくこらえたな」と言うと「平原さんがどれだけ持ってくるか分からないので、タテに集中できなかった。その分、平原さんにツケマイする感じで抜ければと思って踏みましたが、もうパコパコ(余力がない状態)でしたね。皿屋さんを2角で入れようと思ったが、思った以上にたれ(失速し)ていたので1度待って前団を追いかけた。宮本(隼輔)の調子がいいだけに、かぶるのだけは避けたかった」と返ってきた。その裏には「外に浮いても何とかなる」という気持ちがあったのだろう。

浅井が優勝を狙うには正攻法では厳しい。先行ラインの後ろから、いちかばちか内を突くとか奇をてらうしかすべはない。松阪は優勝もあるが、失格や落車も多いバンク。ここで優勝して、中部王国再建に向けての足掛かりにしてほしい。(日刊スポーツ評論家)