ガールズGPは柳原真緒が優勝した。優勝インタビュアーは市田佳寿浩。プロを目指した時から指導してくれた市田との掛け合いは、実直な2人なだけに真実味があって見る者の胸を熱くした。柳原が最後のあいさつをした時、一番大きな拍手が起こったのは、ファンの感動を呼んだからだと思う。おめでとう!

ガールズの表彰式が終わった後、GP出場選手が日の暮れた平塚競輪場で黙々と周回練習をしていた。その姿を見て、本番が迫っていることを実感した。

私はGP選手に2度インタビューする機会を得た。その中で一番印象に残っているのは、平原康多の表情が明るいこと。難しい顔をするタイプではないが、表情が柔らかかった。ラインがないので気楽に挑める部分があるのだろうか。

細かくレース展開を話してくれたのは松浦悠士。自分の作戦をさらけ出しても勝つよという自信を感じた。「基本は近畿が先手ならその後ろ。北日本が先手を取るなら分断も考える」。明確に意思表示をした。平原や郡司浩平は濁して答えていない。


ジャガーポーズする郡司浩平(左)と山口幸二氏(撮影・鈴木正人)
ジャガーポーズする郡司浩平(左)と山口幸二氏(撮影・鈴木正人)

ならば、北日本を分断するのは松浦と考えると、足をためるのは郡司と平原。そこに脇本雄太がカマして、新山響平ともがき合いになる。脇本が先手を取っても、取れなくても混戦が予想される。そこをまくれる自力選手は郡司だと思う。


指定練習する郡司浩平(撮影・鈴木正人)
指定練習する郡司浩平(撮影・鈴木正人)

郡司は前回、20年の地元GPは何もできずに終わった。その時に「仕掛ける勇気」が必要だと悟ったはずだ。今の彼は全盛期といっていい。私は郡司に期待した。(日刊スポーツ評論家)


 
 

◆29日の郡司浩平 レース前日も意欲的に体を動かした。朝の指定練習、公開練習、そして日が暮れてからもバンクに入った。公開練習後には「雰囲気を味わえたし楽しめた。感覚が良くなるようにゆっくり乗った」と満足げ。悔いのない総仕上げを終えた。