私が赤いパンツをはいていたら、後ろで(山口)富生と志田龍星がヒソヒソ話をしていた。

すると富生が「兄貴に言ってみー」と、私に聞こえるように大きな声を出した。さすがラオウ。志田が「何も言ってないです!」と必死になって言うので、私が「大丈夫、何を言ってもええよ」と助け舟を出した。「なら、いいすか…。赤いパンツがバブルです」と言う声が、むっちゃ小さかった。

私は「赤いパンツが似合う大人になれよ」と返したが、今後このパンツは、はかないでおこうと思ったことは言うまでもない。

ヤマコウは中部単騎となった浅井康太の優勝に期待
ヤマコウは中部単騎となった浅井康太の優勝に期待

準決は犬伏湧也の走りがすごかった。番手の松浦悠士が踏み出しで離れて、そのまま追い付かなかった。

私も、初めて深谷知広に離れた時は覚えている。彼の登場で、タイトルが近づいたはずなのに遠ざかる絶望感。その時、私は43歳だったので、年齢に打ち勝つことができなかったが、松浦はまだ32歳。古性優作が脇本雄太に離れてから強くなったように、松浦もいい刺激をもらったと前向きに考えたらいいと思う。

決勝は犬伏に同期の橋本壮史が挑む。先行争いは激しくなるだろう。足をためるのは松谷秀幸と浅井康太だか、タテ足が勝るのは浅井だ。地元地区の代表として見せ場は作りたい。

「犬伏が強いけど、混戦になったらまくれるか?」と聞くと「犬伏が通過していく時は、バイクが通過するようだった。まるで深谷がデビューした時のようです。混戦になったらいい勝負ができると思う」と言う。浅井に期待した。(日刊スポーツ評論家)