2日目も風が強かったが、初日より暖かく穏やかだった。選手もポツポツと取材エリアに現れ、伊藤旭が記者と談笑していた。

日頃から「良いところを磨け」と言ってるので、昨日「最近らしさが消えてるなー」と話した後の3着。少しでもきっかけになればいいなと思った。

長所を磨くことの大切さが分からないと、全てが中途半端に終わる。ヨコを兼備している選手は番手を回るべきだし、そうでない選手は前を回る方がレースが分かりやすいし、買いやすい。

ルールが自転車競技に寄っているから、カマシ先行が主流になった。カマシはタイミングが大切なので、展開に左右されやすい。選手の気質が変わったのではなく、ルールに合わせて選手は進化している。その結果、徹底先行が生まれにくい土壌になっている。

その中で、新山響平や北井佑季の存在は大切だと思う。


ヤマコウは北井佑季の底力に期待
ヤマコウは北井佑季の底力に期待

準決12Rを走る北井は、今や先行日本一と言っていい。毘沙門天賞は、前受けの北井を後ろ攻めの犬伏湧也が全力でたたいた。北井の力を認めているからだろう。

今節、1度も先行できていないのは対戦相手が警戒しているから仕方ない。2日間、消化不良のレースが続き、北井のように信念がある選手は「今度こそ」の気持ちが強いだろう。あとは、脇本雄太らの波状攻撃にどこまで堪えられるか。番手を回る松谷秀幸の役割も大切だ。

今は役割分担があいまいになり、戦法の意地を感じる選手が少ない。北井や新山の活躍で、少しでも戦法に意地がある選手が多く出現して欲しい。(日刊スポーツ評論家)

【ヤマコウの印】◎北井佑季 ○松谷秀幸 ▲脇本雄太 ☆松浦悠士 △山田英明