JKAは先日、7車立て12R制F2を6、8月に試行実施すると発表した。7車立てミッドナイトの売り上げが好調なため、昼間にも7車立てのレースを増やしてミッドナイトファンを誘導しようということだ。

 実際、ミッドナイトの売り上げ増とともに、昼間F2のチャレンジ戦の売り上げがアップした。極端な例ではチャレンジ戦の売り上げが1、2班戦の売り上げを上回った開催もあった。また、ミッドナイト競輪を入り口にした新規ファンが9車の競輪を経験すると、レース展開の違いに「9車の買い方がわからない」との声もJKAに寄せられた。

 JKA関係者は「7車立てのレースを好むファン層がいるなら、昼間も切れ目なく7車立てのレースを提供しようという意図です」と狙いを明かした。施行者の関心も高く、開催希望を募ると応募も多かったらしい。

 ただ、私の親しいギャンブルファン(競輪に限らず、競馬、ボートレース、株、FX、仮想通貨まで手広く何でもこなす)に言わせると、売り上げアップには否定的だった。いわく「ミッドナイトが売れているのは競合する公営競技がないから。実際、ナイター競馬が終わってからミッドナイト競輪を見ている」と話す。確かに、競馬、競輪と両方扱う民間投票サイトでは同様の会員が多いと聞く。

 もっともな意見だが、記者は新しいことにトライすべきだと思っている。ミッドナイトの活況で競輪の売り上げは下げ止まった。赤字を生み出す元凶となっていた昼間F2がもしも黒字転換すれば、まったく喜ばしい限りだ。もし、失敗したら戻せばいいだけなのだから。それが、わざわざ「試行」とうたっている由縁だろう。「お試し期間」の売り上げに注目したい。