新時代の到来だ、100期・桐生順平(28=埼玉)がSG初V。12Rで優勝戦が行われ、1枠=インの桐生が中へこみの展開を克服。中沢和志のまくり差しを封じて逃げ切った。SG5度目の優出で初優勝を果たした。昨年12月の茅原悠紀(グランプリ)、平本真之(グランプリシリーズ戦)に続いて、ニュージェネレーションから優勝者が誕生した。2着は中沢和志、3着は毒島誠が入り、関東勢で上位独占となった。

 桐生順平が新しい扉を開けた。100期生以降で初のSGウイナーになった。「『ニュージェネレーション』からの刺激がすごかった。100期から初めて勝ったと言われてうれしい。同期や、下の期の人たちも頑張ってほしい」。若手レーサーのLINEグループが『ニュージェネレーション』と名付けられている。まさに新世代の旗手だ。

 スリット隊形は最悪だった。1枠でインを主張。しかし2、3コースがスタートで遅れて、中へこみになった。4カド中沢和志がまくり差しで切り込んできた。「1Mは差されてないか不安だったけど(逃げ切れて)良かった」。身上の全速ターンで1Mを回った。

 2年前の屈辱を晴らした。SG2度目の優出となった13年5月オールスター(福岡)。優勝戦1枠で臨んだが、スタートで遅れて6着。レース後は悔しくて涙があふれた。1枠での優出に気合が入った。「福岡でスタートを遅れたので、遅れるのだけは…と思った」。トップスタート、コンマ08で踏み込んだ。

 福島の盟友からパワーをもらった。自転車競技に打ち込んだ高校時代、一緒に練習をして、ライバルだった新田祐大(29=福島)が22日、G1日本選手権競輪(京王閣)で優勝。競技は違うが、2人が同じ日にビッグタイトルを獲得した。「レースを見て2着かなと思ったけど…。本当に勝ったんですか、何かうれしいですね」と笑顔を見せた。

 グランプリ出場は早くも当確。しかし、年末に向けて気持ちは緩めない。「常にグランプリに重点を置きたい。もっとお客さんに魅せるレースをして、ターンをもっと磨きたい」。先輩選手からは「ニュージェネターン」と呼ばれる。桐生の成長はまだまだ止まらない。【津波謙次】

 ◆桐生順平(きりゅう・じゅんぺい)1986年(昭61)10月7日、福島県古殿町生まれ。07年5月に100期生として戸田でデビュー。初優勝は11年8月の戸田タイトル戦。G1優勝は昨年9月のプレミアムG1ヤングダービー(戸田)の1回。SGは5度目の優出で初優勝を飾った。通算優勝は19回。161センチ、50キロ。血液型AB。