まさに王者の貫禄! 松井繁(48=大阪)が会心の逃げを決めて今年5回目、ドル箱の尼崎で16回目、周年は5度目の制覇となった。

 5メートルと強めの向かい風は、松井にとって相当な重圧だった。「波があって起こしが悪かった。でも、何とか仕掛けることができた」。インからコンマ14の的確な踏み込みで、1Mも危なげなく先マイ。当たり前のように見えて、実はかなりハイレベルな逃げだった。

 前検から手応えは得ていたが「3日目にいろいろあって(チャンスを)逃すところだったが、4日目に気合を入れて(連勝を)もぎ取ることができた。Vを意識して走った」と振り返った。

 9日からの鳴門周年に続き、19日からはいよいよ住之江でSGグランプリ。「リズムを崩さないようにしたい。そのために鳴門も全力を尽くす。そして最高の結果を残したい」。王者が驚異のラストスパートで頂点へ突き進む。【北條直治】