渦潮魂、見せます! 鳴門ボートのG1「大渦大賞」は10月1日に開幕。毒島誠、井口佳典、中島孝平と今年のSG覇者3人が顔をそろえただけでなく、V候補が十指に余る大激戦。地元の渦潮軍団からは6人が参戦する。近況好調の興津藍も優勝争いに絡む。

地元勢の中で現在、最もリズムがいい男、それが興津藍だ。平和島、多摩川、びわこと、G1・3節連続優出中。自身は「たまたまです。エンジンなりの(調整に)徹しているかもしれない」と謙虚に振り返ったが、好エンジンを引いているだけでなく、レースぶりも光る。しかも、けが明けで、この成績だから恐れ入る。

実は8月の地元戦、レース中の事故で、左手中指を骨折した。復帰まで時間を要すると思われたが、現代の医学、興津の回復力は想像以上だった。「すごいっすよね。(骨折した箇所を)縫った後、酸素カプセル、超音波、電気治療をして、約2週間で復帰できましたから」。少しの違和感は残ったが、痛みはそれほどなかったという。「指だったから、2週間ぐらいで何とか復帰できた」と、けがの箇所にも助けられた。

エンジン抽選運よし、リズムよし、体調も心配なし。好循環の中で迎える地元周年へ、期待は高まるばかりだ。「優勝を狙いたい。普段は言わないけど(笑い)。でも、どっちか(11月G1ダイヤモンドカップと)はね。どっちも頑張るよ。いい流れでいきたいね」。これまでG1優出11回。10年、14年には四国地区選でG1・2冠の実績もある。地元勢のVは13年の林美憲以来遠ざかっているだけに、興津にかかる期待は大きい。

◆興津藍(おきつ・あい)1981年(昭56)3月23日、兵庫県生まれ。85期生として、99年11月、鳴門でデビューし、5走目で初勝利。03年、浜名湖で初優勝を飾る。SG7回出場。井口佳典、湯川浩司、田村隆信らとともに“銀河系軍団”の一員。攻撃的な走りに定評がある。166センチ、50キロ。血液型AB。