シンペーロスを乗り越える-。柴田祐也(35=岐阜)が気持ちを新たにして今節を迎えた。

直前に、長らく一緒に練習してきた加藤慎平の引退報道があった。「新聞に載る前の日に、慎平さんから電話で『引退する』と知らせていただきました。ずっと背中を追いかけてきた先輩。さびしい」とつぶやいた。05年にKEIRINグランプリを制して賞金王になった加藤とは、同じ中学、高校で5学年下にあたる。「中学のころから活躍を見ていて憧れ。デビュー前からつい先日も、一緒にウエートトレーニングをしたり心構えを教わったりした。夢は一緒のレースを走ることでした。S級で同じ配分があったけど、別だった初日に落車して骨盤骨折。結局、夢に終わった」と思い出を話した。

後輩思いの加藤に恩返しする意味でも、気落ちしてはいられない。来期は1年半ぶりにS級へ復帰する。「前場所は準決にも行けなかったが、調子はいい。まくりが出ているしね。もうすぐS級。そこに向けての意味でも、この松戸は大事。活躍して先輩を喜ばせたい」。今節の好走を約束した。