トライアングルカップは白井英治の優勝で幕を閉じ、「平成最後の優勝を徳山で飾ります」という前日の言葉を有言実行した。

白井の後輩、佐々木完太(22=山口)は2R、4カドからコンマ13のトップスタートを決め、まくって勝利。今節初の1着を手にした。また後半7Rでは、道中最後方から4着までしぶとく追い上げた。

佐々木について山口支部長の江本真治は「入ってきた頃は(同期の)井本昌也を含めて、こいつらどうなるんだろう」とこの世代独特の動きの悪さに首をひねったという。「この業界には独特の慣習やしきたりがあります。陸の上で動けない奴は水の上で動けるわけがない」とバッサリ。大きな不満を持ったそうだ。それでも時間がたつにつれて「最近は気が利くようになってきたし、周りが見えてきましたね。彼はこれから大きく伸びますよ」と評価する。

その話を佐々木に伝えると「本当ですか。うれしいです」と破顔。「勝負駆けとか、大事なところで失敗するので、もっと練習に励もうと思っています」と抱負を述べる。厳しい世界の中でも楽しみ方は心得ているようで「同期の井本なんかと飲みに行くのが好きです」という。

今村、白井、寺田の3強を頂点とする山口支部。彼らの次の世代に以心伝心が行き届き、令和の時代に平成レーサーがどんな活躍を見せるか楽しみだ。