日刊スポーツ新聞社制定「第33回オートレース年間三賞」の選考委員会が行われ、技能賞は森且行(46=川口)に決まった。

昨年はオート界最高峰の日本一決定戦を制し、デビュー24年目で悲願のSG初制覇を達成した森且行が、初の技能賞を受賞した。

地元川口で行われたSG第52回日本選手権優勝戦は、7枠からスタートを決めて2番手につけた。道中で3番手に後退したが、6周3角でドラマが待っていた。先頭の鈴木圭一郎を追った荒尾聡が、接触してともに落車。突然、視界が開けて先頭へ。最後は金子大輔の猛追を振り切って1着ゴール。「(日本一になると言ってオートレーサーになったので)約束が守れて良かったです。スタートは練習から手応えがあって自信を持っていった」。決してフロックではない。マシンを仕上げて堅実な成績でファイナルに進出。本番ではスタート練習を積んでスタートタイミングはコンマ01。限界まで攻める姿勢を貫き、勝利につながった。

さばく技術だけではなく、スタート勝負に出て結果を出す。集中力を発揮するのも立派な技能だ。「予選の戦い方や過ごし方を勉強して、またスーパースターに挑みたい」。夏場の滑る熱走路は不得手だが、近年は苦戦する割合が軽減している。努力で苦手を克服した森が、21年もミラクルを起こす。

◆森且行(もり・かつゆき)1974年(昭49)2月19日、東京都生まれ。川口所属25期生。S級25位。20年日本選手権で悲願のSG初制覇。GIは2度、GIIは3度。通算優勝は32度。1着は682回。趣味は旅行。177センチ、59キロ。血液型B。