どこまでもドラマチックだ。ボートレース漫画「モンキーターン」の主人公・波多野憲二のモデルとなった浜野谷憲吾(47=東京)が、マンガでも描けない14年4カ月ぶりのSG制覇を果たした。

くしくも、最終日は波多野の誕生日。最初に表彰盾を渡したプレゼンターも“波多野”茂丸芦屋町長というおまけ付き。まさに事実はマンガより奇なりだ。

初日から連勝で波に乗った。「最初から良かった行き足を落とさず、手前に持ってこさせて、いい状態でいけた。このエンジンを信じて、自分のターンができれば、まくられない自信があった。スタートは全速で行けた」。1Mを先取りして、決着をつけた。

前回のSG制覇は07年の平和島クラシック。植木通彦さんがフライングして、引退を決意したレースだった。あれから14年4カ月もの月日が流れた。「時間はかかりましたね。率直にうれしいです。また、この舞台に帰って来られたし、精進して頑張っていきたい。14年間、自分の中で変わったところはないが、今年は年男で全24場制覇、大村G1でVと流れに乗れたね」とはにかんだ。同期の前本泰和が6月に児島グラチャンを制したことも大きな刺激となった。

獲得賞金は2位までジャンプアップ。3年ぶりのSGグランプリ出場が濃厚となった。今から11年前、優勝戦1枠で取り逃した住之江GPの借りを返すチャンスだ。東都のエース復活は、間違いなくボート界を活性化させる。