ガールズケイリン誕生から10年。ファンには認知されたが、選手の数が増え、設備、開催場、レース形態、そしてファンの要望も変わってきている。連載最終回は全国の日刊スポーツ競輪担当記者の意見をまとめ、今後の発展、未来に向けて、提言する。

<(1)枠順の均等化>

ミッドナイト競輪は「買いやすさ」をコンセプトに、男女とも競走得点の高い順に1番車から7番車に入り、それ以外は番組編成が決定している。ただ、ガールズケイリンの場合は内枠有利の傾向が強い。ヨコに動けない競技の性質上、1車でも前に入りやすい枠の内外は、レース展開を大きく左右する。自転車競技では発走直前に枠順を抽選し、1周目までは枠順通り並ぶというルールがある。車番は重要な予想ファクターでもあり、選手のモチベーションにも影響する。

◆車番を抽選制に、あるいは競走得点の低い順でのレースも創設

◆競技のような進入固定の導入

<(2)代謝制度の改革>

優勝劣敗のプロの世界。3期平均得点での代謝制度はやむを得ない。ただ、ガールズケイリンは、男子でいうSS班とA級3班が同じレースで戦う。そのため、養成所卒業わずか1年半で引退する例もある。デビュー当初は弱くても、努力を重ねて頂点に立つシンデレラストーリーはファンを魅了する。新人に競走を覚える猶予を与え、斬新なレースを期待する。

◆デビュー1年間の代謝ノーカウント

◆公傷の導入 負傷欠場期間も審査対象となる現状では、代謝を回避するための無理を押しての復帰を余儀なくされる。選手の体のため、何より車券を買うファンのためにも、診断日数に応じて審査除外期間を設け、復帰までの十分な練習期間を与える。

かつての女子競輪は15年で幕を閉じたが、ガールズケイリンは無限の可能性を秘めている。いっそうの発展を願う気持ちは、我々も同じだ。

<その他の提言>

◆落車事故を減らすため、車輪を屋外ではスポーク車輪に。見た目の華やかさから始まったディスクホイールだが、横風に弱い欠点がある。

◆ユニホームをさらに鮮やかに。車番の視認性を条件に、個性あるデザインの採用を認める。

◆企画・特別レースを充実させ、厳しい勝ち上がりのガールズ特別戦優勝者にはGP出場権を与える。

◆ジェンダー平等の観点からも、将来的にはGP優勝賞金は1億円に…。