デビュー直後は苦戦していた牛田樹希斗(23=愛知)だが、今期は1月小倉での初優勝を皮切りに優勝5回。レインボーカップに選ばれるほどの力を付けた。「来期からは1、2班戦。レインボーカップが決まってからは楽しみながら、経験を積みながら、9連勝も意識していなかった」。高校までは野球部に所属し、自転車経験も短い。地道に力を蓄えて上を目指すつもりだったが、頑張らなければならない理由ができた。

「先月、おじいちゃんにがんが見つかった。いろんなところに転移していて、もう手術もできない。いち早くS級に上がって活躍したいので今回は取りたい。じいちゃんを喜ばせられるように調子より気持ちで走る」。本番9Rは同県の佐藤竜太をマークする。競輪選手を目指したのも祖父がきっかけ。病と闘う祖父のためにも勝利を届けたい。