和歌山が今期初戦となったガールズ120期最年長の山口真未(30=静岡)は、予1・7Rで先行して危なげなく押し切った。2日目の予2・7Rで連勝を目指す。

「今日は逃げるつもりだった。ペースで駆けられて足をためることができました」

ひと筋縄ではいかない経歴の持ち主だ。出身の茨城県の高校で陸上を始め、茨城大では7種競技の選手。7種とは100メートルハードル、走り高跳び、砲丸投げ、200メートル、走り幅跳び、やり投げ、800メートル。勝者は「クイーン・オブ・アスリート」とたたえられるこの競技で、2011、12年とインカレで2年連続8位。過酷な競技なのだろうが、山口は「いろんなことができて楽しかったですよ」と振り返る。

大学最後の大会で左アキレス腱(けん)を全断裂。それでも筑波大大学院、社会人と陸上競技を続けたが、アキレス腱断裂の影響は大きく、進路を自転車競技挑戦に変更。29歳の時に最年長120期生として選手養成所に合格した。昨年7月に本格デビューし、和歌山が2年目初戦となる。

「年齢的にゆっくりしている時間はない。最短距離で強くなりたいと思ってます。前期(1~6月)はいろんな戦法を試しました。そして今期(7~12月)は勝てるレースを作り上げたいと思ってます」。まだ試行錯誤しているが「やっぱり自力の方が勝てる。カマシとまくりが近いと思う」と感じている。

陸上の経験から「緊張をコントロールするすべ、そういう強さは自分にはあると思う」という。山口が勝てる武器を身につけた時、ガールズトップの勢力図が大きく塗り変わるかもしれない。