97年5月のデビューから25年と3カ月。香川素子が遅咲きの大輪を咲かせた。

スタート展示では3コース。しかし、起こしで回ってなかったこともあって、本番は4カドを選択。結果的にはこれが奏功した。本番ではフライングの実森をのぞく5艇すべてがゼロ台の踏み込み。対岸の大型映像装置に「スタート判定中」の文字が。これには「絶対に、私だと思った」といったんは覚悟した。それでも沈着冷静に1Mを立ち回ると、バックを伸びて2M先取り。そこから一気に平山智加を引き離し、栄光のゴールへと駆け抜けた。「1Mは思うようなターンができたし、舟の向きも良かった。45歳で優勝できるなんて思ってもいなかったです」。

7年前、当地で行われた29回大会では予選トップ通過を決めたものの、準優で5着敗退と苦杯をなめた。それでも、名字が「香川」だからなのか、実は当地との相性はばっちり。19年9月、昨年12月のオールレディースに続いて3度目の優勝。「何か分からないけど、いいですね。7年前の忘れ物も取れましたからね」とほほえんだ。

夏の女王に輝いた次の目標は、「賞金女王ですよね」とにやり。ひょうひょうとした中にも、強い決意で今後を見据えた。【工藤浩伸】