2度のKEIRINグランプリ(GP)を含むGP&G1で8冠の村上義弘(48=京都)が5日、東京・板橋区の日本競輪選手会で引退会見を行った。会見終了後には、サプライズで山口幸二氏(日刊スポーツ評論家)と市田佳寿浩氏の盟友が花束を手にかけつけた。

笑顔で会見場に現れた村上は「燃え尽き、心身共に完全燃焼できたと思えたからです。28年間、ひたすら日本一の競輪選手を目指して頑張ってきました。理想とする日本一の競輪選手にはなれませんでしたが、後悔はありません」と晴れやかに語った。

引退を決意したのは、最終戦となった先月の松阪F1終了後。「出走表を見たら連対率が0%だった。こんなこと初めて」。最終日に自力戦で1着を取り「連に絡めて、ファンに納得してもらえたかな、納得してもらいたいな」と感じたことで、完全燃焼を実感した。

村上の理想とする日本一とは「速くて、うまくて、強くて、自分に満足しない向上心を持つ選手」。28年間、競輪選手として理想を追い求めた求道者が、ようやく自転車を降りた。

◆村上義弘(むらかみ・よしひろ)1974年(昭49)7月6日、京都市出身。花園高卒。競輪学校(現養成所)73期生として94年4月9日小倉でデビュー(861)。G1は02年岸和田全日本選抜、03年一宮オールスター、11、13、14、16年日本選手権(ダービー)の計6冠。GPは12年京王閣、16年立川の2度優勝。G2は5勝。16年最優秀選手賞など表彰は多数。通算2236戦655勝。170センチ、75キロ。血液型O。