日刊スポーツ新聞社制定「第37回ボートレース年間三賞」の受賞者が決まった。女子の特別賞は、大村クラシックで女子選手史上初のSG制覇を達成した遠藤エミ(34=滋賀)が、5年ぶり2度目の受賞となった。今年も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、表彰式典は行わない。(データは、日本モーターボート競走会提供)

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遠藤エミが2度目の特別賞を受賞した。何といってもハイライトは昨年3月の大村クラシック。女子初のSG優勝を飾り、ボート界のみならず、あらゆるメディアを通じ偉業が紹介された。「私の中で、すごく大きな出来事。レーサーとして、次のステップに上がるきっかけとなりました」。

昨年末には女子で初のSGグランプリ(大村)に出場したが、トライアル1stで敗退。悔しさとともに、力不足を痛感したという。それだけに、2年連続となるグランプリ出場は是が非でも果たしたい。「グランプリの悔しさは、グランプリでしか晴らせない。また出たいとすごく思うようになりました」。23年も男子勢を相手に1歩も引かず真っ向勝負。再度の大仕事をもくろむ。

◆遠藤エミ(えんどう・えみ)1988年(昭63)2月19日、滋賀県生まれ。102期生として08年5月のびわこでデビュー。初優勝は12年11月の鳴門。昨年3月の大村クラシックで女子初のSG優勝を成し遂げた。通算優勝回数は38度。同期には河合佑樹、山田康二、前田将太らがいる。154センチ、44キロ。血液型A。

◆特別賞・選考 3月の大村クラシックで、ボート界の歴史に大きな1ページが書き加えられた。遠藤エミによる女子選手史上初のSG制覇。女子タイトルはレディースチャンピオンを香川素子が初V、年末のクイーンズクライマックスでは田口節子が2年連続Vを飾ったが、遠藤は獲得賞金も女子トップを1年通しキープ。偉業を果たした遠藤の受賞が満場一致で決まった。

◆選考委員 ▽東京 沢畠功二、中川純、窪寺伸行、木村重成、古村亮、湯田坂賢一、野島成浩 ▽西日本 吉富康雄、町田達彦、草川太郎、鎌田優、津波謙次、井筒靖明、山田敏明、浅田和則、神田成史、川尻将志、奈島宏樹、北條直治、東和弘、中嶋聡史、安井雅彦、栗原ひろ人、土居恒久、工藤浩伸、田中大樹、平田英治、前原一樹、迫信晴、山崎千郷、渕上知、中森亮、中牟田康、馬場勲、浦田由起夫

◆ボートレース三賞とは 日刊スポーツ新聞社が86年に創設した。公営競技の三賞ではもっとも歴史があり、殊勲、敢闘、技能に特別(主に女子から選出)の4部門がある。

殊勲賞 1節で優出した6選手にポイントを与える。17年までSG優出ポイントは8競走すべて同じだったが、18年から王者決定戦であるグランプリ優勝を100に。クラシック、オールスター、メモリアル、ダービーの4大競走Vを70にアップして集計。これらの合計点で決定する。

敢闘賞 年間連対(1、2着)回数を争う。グレード競走、一般戦に関係なく、どのレースの連対も同じ価値とする。連対回数が同じ場合は1着回数の多い選手を優先する。

技能賞 殊勲賞のようなポイント制ではなく、スタート力、ターン技術、ファンへのアピール度など選手の個性に着目する。

特別賞 主に女子選手の優秀者を選出する。