オートレース界の23年最初のビッグレース、「全日本選抜オートレース」は、最終日の26日に優勝戦が行われる。

人気女子レーサーの佐藤摩弥(30=川口)が、4日目準決勝戦10Rでトップスタートから2着に粘り、SG6度目の優出を決めた。優勝戦では、女子オートレーサー初のSG制覇を目指す。

佐藤摩弥は初SG優出だった2018年川口の日本選手権からその後、オールスターで2度、スーパースター王座戦も2度優出。今回、全日本選抜は初のファイナル進出を決めたことになる。

セミファイナルを振り返った。「(準決勝戦当日の)朝練習はスタートが全然、切れなかったので、不安でした。トップスタートで行けるとは思いませんでした」。それでも、レースで強いところをしっかりと見せた。

直近のSG優出だった2021年のオールスターは、持ち味のスタートの切れをフルに生かしてファイナルに進んだ印象だった。その後、なかなか競走車が仕上がらず、低迷を続けた時期もあった。昨年暮れは、3年連続で駒を進めていたスーパースター王座決定戦トライアルに出られず、初めて出場したSSガールズ王座決定戦を制し、その後にSSシリーズ戦で優出2着と、一気に競走車の気配が上向いた。年が明けてからは、1着を量産する強い“サトマヤ”が帰ってきた。「今年に入ってから調子がいい」と話すほど、競走車の仕上がりがハイレベルで安定してきたのも今回、SGで何度も好走できた要因だ。

初日予選7Rは1着で上がり3秒354をマークするなど、今節の競走車の仕上がりは、先頭に立って自分のコースを走る分には乗りやすいという特徴もある。スタートが切れ、主導権を握る展開でペースを上げて逃げることができる仕上がりになっているのが強みだ。

優勝戦に向けては「基本はいいので、セッティングでどうにかしたいですね。タイヤ選びをしっかりして」。大事な戦いに臨む。

ボートレースの世界では昨年3月、遠藤エミがボートレースクラシックを勝って公営競技女子史上初のSG制覇を成し遂げた。

オートレース界も、女性活躍の流れに乗って行ければ…。「少しでも(スタートで)前に付けて粘りたいです」。

サトマヤ6度目のSG挑戦…。果たして大輪の花を咲かせられるか、注目だ。レースは26日、午後4時30分に発走予定だ。

◆オートレースとは 8車立てで、1周500メートルを6周(ビッグレースでは8、10周の時も)行う。全国5カ所にレース場がある。群馬・伊勢崎、埼玉・川口、静岡・浜松、山口・山陽、福岡・飯塚で開催される。選手の技量の差によってハンデ(10メートル単位で最大110メートルまで)が定められている。競走車は左回りコースに合わせて車を倒した時にハンドルが平行になるように取り付けられている。エンジンはオートレース専用に開発されたスズキ製の排気量600CC2気筒。ブレーキは追突事故防止のため付いていない。選手は元アイドルの森且行や元ロードレース世界チャンピオンの青木治親、ロードレース出身の青山周平らがいる。22年の獲得賞金NO・1は鈴木圭一郎で9817万6536円。過去の最高額は04年に高橋貢が記録した1億4812万4255円。