成田和也(44=福島)が自慢の切れ味を発揮して差し切りVを決めた。

G3優勝は13年6月の函館以来10年ぶりで、通算5度目。2着は新田祐大、3着は渡部幸訓が入り北勢が上位を独占した。

決勝は4車で結束した北勢の3番手回り。新山響平が脇本雄太を出させず打鐘から主導権を握ると、2角から再度踏み込んだ脇本の反撃も不発に終わらせた。成田は3角過ぎから踏んだ新田をゴール寸前でとらえた。

「あれ(函館)以来ですか。このチャンスを逃したら、次はないんだろうと最後は力が入った。久しぶりすぎて本当にうれしい」と、淡々とした口調の中にも喜びがあふれていた。

昨年はビッグ5度の決勝進出と完全復活。「ずっと勝ちたいと思っていた」と、この大会を制して最高の形で前半戦を折り返した。「これからも1走、1走が勝負。来たチャンスは逃さないように」。

後半戦も勢いを加速して、10年ぶりとなる暮れの大一番KEIRINグランプリを目指す。【音無剛】