優勝戦は最終日12R、ナイター開催で0、10メートルのハンデ戦で行われ、佐藤摩弥(31=川口)が6周1角で先頭に立って押し切り、優勝。2011年7月のデビュー以来、丸12年で女子オートレーサー初のG1制覇の偉業を達成した。通算では12度目の優勝。2着は鈴木宏和、3着には丸山智史が入った。

「摩弥ちゃん、おめでとう!」

佐藤が優勝して戻ってくると、たくさんの関係者に祝福を受け、すぐに行ったウイニングランで場内のファンが声をかけ、表彰式では、割れんばかりの拍手。小柄なサトマヤが、祝福のシャワーを浴びまくった。

開口一番、「すごくうれしいです」と、全身で喜びを表すと、「今年は調子がいいから、まずはG1(奪取)を、と思っていました」。その思惑通り、2011年7月、デビューした時も猛暑だったが、あの時をほうふつさせる、熱走路を物ともせず、ついにG1制覇を果たした。

女子オートレーサー初のG1初制覇も「ほっとしてます」とさらり。女子選手の第一人者として、オートレースが男女混合で戦われる以上は、勝たないと先へ進めないといった顔つきだ。

試走は前を走る鈴木宏和に離され気味だった。レースでも、鈴木にはスタートで先手を取られ4番手発進。落ち着いてチャンスを待ったが、その時はすぐに訪れた。2周回目に鈴木が2番手の丸山智史との接触を避けたところを見逃さず、3番手に上がった佐藤は、2周3角で2番手へ浮上。逃げる高石を6周1角でとらえて快勝した。

何より、ファン、関係者に育ててもらった地元川口でのG1制覇。「自分の中では大きいタイトル」の位置付けの1つだった伝統のG1「キューポラ杯」を制しただけに、喜びもひとしおだった。

来月、すぐに伊勢崎でSG「オートレースグランプリ」(8月10日~)が行われる。「グランプリでも頑張りたい!」という決意表明で言葉を締めた。4月飯塚SGオールスターでは優出2着まで経験した。残す最高峰は、SG優勝。この一点だ。

 

埼玉支部長・若井友和 最近の充実ぶりからも驚きはない。一般戦のいいメンバー相手に外から勝っているので実力でしょう。G1を取り、次にSGとステップアップしてほしい。今後も伸び続けてほしい。

優勝戦3着の同期・丸山智史 全力でぶつかって負けました。さすがですね。