<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:日本0-1ポーランド>◇1次リーグH組◇28日◇ボルゴグラード

 涙ぐんだ西野監督の姿が印象的だった。監督交代劇からの苦しい道のりを、自力で突破した。やはり日本で試合を一番経験している監督だけあって、勝負勘がさえた。スタメンを6人入れ替えたことは、普段は考えられない。「うまくいってる時はメンバーを代えるな」というサッカー界の鉄則を覆した采配だった。

 日本は、後半39分から流し気味にプレーして終了ホイッスルを待った。イチかバチかの采配と思うかもしれないが実は、これはチーム力の勝利。当然、スカウティング・スタッフがコロンビア-セネガル戦を現場で分析し、試合の流れなどを随時、監督に報告している。報告されたデータをもとに、最終的には西野監督が判断し、戦い方を決める。指揮官は、そのままコロンビアが1-0で勝つと判断し、ピッチに指示を出した。

 これで、ほとんどの選手を使い、次のステージへコマを進めた。消化試合がない中で、多くの選手がW杯ピッチに立った分、雰囲気も上昇する。2戦目まで非難を受けていたGK川島が好セーブでチームを救ったことも大きい。勝負師が率いる今の代表なら、初の8強入りも夢ではないような気がしてきた。(日刊スポーツ評論家)