名古屋FW永井謙佑(26)が、持ち味を存分に発揮し始めた。今季は4得点3アシストを記録し、その2つを合計した「スコアポイント(SP)」は7P。90分平均は0・79Pで、先週の10位から4位に急浮上だ。今季初白星を挙げた第5節からは5試合連続で「SP」をマーク。日本代表FWの活躍とともにチームも最近5試合で4勝1敗と第4節時の最下位から6位に急上昇だ。

 第4節までと第5節以降の永井の走力データを比較すると、時速24キロ以上で走ったスプリントは平均30・5→30・6回、走行距離も平均9・9→9・7キロと、武器である走力のデータに変化はなかった。それでもゴールに絡む回数は増えた。なぜか?

 第5節からチームは4バックから3バックに変更。永井も2列目の左SHから3列目の左WBに位置を下げた。ときには最終ラインまで下りて守りを固め、そこからロングカウンターを仕掛けた。本人は最近の連戦もあって「体力的にかなりしんどい」というが、西野監督は「あいつだからできる(ポジション)。走力を生かせる」と証言する。

 確かに2列目で攻守に上下動を繰り返すよりは、3列目の守備的な位置から前線に飛び出していった方が、永井のスピードはゴール前で再加速する。「滑走路の距離」は同じでも、その使い方次第では、ゴールという目的地により速くたどり着ける。【石川秀和】

スコアポイント率ランク20傑
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