今月下旬にFIFAワールドカップ(W杯)カタール大会後初となる日本代表の国際親善試合が行われる。引き続き森保一監督が指揮を執るチームは米国、カナダ、メキシコで共催される2026年W杯へ向けた再スタートを切る。24日にウルグアイ(国立)、28日にコロンビア(ヨドコウ)と対戦。そのメンバーは15日に発表予定となっている。


プレミアリーグのブライトンMF三笘薫(25)ら日本代表アタッカーの活躍が目立つ中、日本代表候補に挙がるDFも海外のリーグで着実に実績を積み重ねている。ベテランから若手まで数多くの選手がタフにフル出場を続け、チームの主力として奮闘中だ(数字はいずれも12日現在)。


際立った活躍を見せているのがオランダ1部AZアルクマールの22歳DF菅原由勢。今季は左膝の手術から復帰後、累積警告による出場停止1試合以外はチームの公式戦33試合全てに出場し、4得点9アシスト。攻撃的な右サイドバックとして好調なチームを支える。欧州カンファレンスリーグで決勝トーナメントに進み、リーグ戦では首位のフェイエノールトに勝ち点5差の3位。緊張感のある戦いに身を置く。


同じく22歳の若手センターバックも台頭。スイス1部グラスホッパーのDF瀬古歩夢はチームの公式戦13試合連続フル出場中。今年2月のスイス杯バーゼル戦で2ゴールを挙げるなど、185センチのDFはセットプレー時の得点源にもなっている。


ベルギー1部ではシントトロイデンのDF橋岡大樹(23)が右サイドを主戦場にリーグ戦29試合中25試合でフル出場。コルトレイクのDF渡辺剛(26)はセンターバックとしてリーグ開幕から全29試合、2610分間フルタイム出場を続ける。


こうした新戦力候補が台頭する中、ベテランも健在。W杯カタール大会で日本代表の主将を務めたドイツ1部シャルケのDF吉田麻也(34)は今季の公式戦26試合全てに先発し、16試合連続フル出場中。守備の要として最終ラインを統率し、降格圏に低迷するチームは最近7戦負けなしと立て直しつつある。その7試合でわずか3失点。無失点は5試合を数える。


今後の日本代表の中心として期待されるドイツ1部ボルシアMGのDF板倉滉(26)は今年に入ってから9試合連続フル出場。カタール1部のアルラヤンでプレーするDF谷口彰悟(31)も加入後はアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)を含む公式戦10試合連続フルタイム出場中だ。


ドイツ1部シュツットガルトのDF伊藤洋輝(23)は体調不良でベンチを外れた試合があったものの、チームの公式戦27試合中22試合にフル出場。プレミアリーグで首位を快走するアーセナルのDF冨安健洋(24)は先発機会が限られているものの、W杯カタール大会に出場した日本代表DF陣は今季も海外の各クラブで主力を担っている。


その選択肢は増え続け、W杯カタール大会で機能した3バックでも戦える陣容になっているが、左サイドバックの選手層だけは不安か。逆の右サイドは菅原が目覚ましい活躍を見せる一方で、左サイドを本職とする海外組は少ない。期待されながらもW杯カタール大会を大けがで欠場したイングランド2部ハダースフィールドのDF中山雄太(26)はベンチ外が続く。


FC東京のDF長友佑都(36)が長らく守り続けた日本の左サイドバック。今回は国内組にもチャンスがありそうで、その人選に注目が集まる。【石川秀和】