<ワールドカップ(W杯)ロシア大会:日本2-1コロンビア>◇1次リーグH組◇19日◇サランスク

 これは奇跡でも偶然でもなく、実力でつかんだ1勝だ。3列目の柴崎は前後左右に冷静にパスをつなぎ、展開を最後まで落ち着かせた。最終ラインの昌子もテンポよく前方に球を預けるから、攻撃への第1歩となった。仲間がボールを奪われてからの好カバリングといい、勝利を後押しした。とはいえ最前線の大迫からきっちり守備をしたことで、2列目、3列目の選手も相手と正対して守備ができた。この統一感がセットプレー以外では失点しなかった理由だ。

 第1戦に日本の調整を合わせてきた西野監督の手腕が光る。就任からわずかの時間で、まずは守備で意思統一を図らせ、柴崎から山口、大迫から岡崎に交代しようとチーム力は落ちなかった。就任直後からメンバーを固定せずに総力戦を選択したことも勝因になった。油断しなければ、きっちりと1次リーグを突破できる実力を示せた。(日刊スポーツ評論家)