みんなうまく見えるね。なんでこんなうまい選手たちが、自分の所属クラブではレギュラーが取れないのか、不思議なくらいだ。今夜はみんな、気分よく寝られるんじゃないかな。まったく、皮肉の言葉しか思い浮かばないね。もちろん選手が悪いわけじゃないけどこの試合は、仕事じゃなかったら、オレは見なかったんだろうな。

日本は最後まで足が止まらず、点を重ねた。ほとんどのゴールが、相手ペナルティーエリア内でのシュートだ。しかもフリーの場面が多かった。絵に描いたようなきれいなゴールが多かったし、子供たちの見本になるようなシーンばかりだったね。

これがもし、強い相手ならどうだったか。相手は守備ラインを高く保つから、まずエリア内でフリーになることは難しい。日本は自陣まで戻って守ってから攻撃に転じる必要があるから、体力消耗も激しく、後半には足が止まるはず。当然、強敵はフリーでシュートを打たせてくれない。モンゴル戦もこの日のミャンマー戦も、最終予選の相手国偵察隊には、まったく参考にならないね。

9月の最終予選まで、実戦は残り4試合。セルビアがいいチームを組んで本気で来てくれること、タジキスタンとキルギスが、F組2位を狙って、高いモチベーションで日本戦に向かってくれることを祈るしかないね。

自国が社会的、政治的に大変な時期に、日本に来てくれたミャンマー代表には敬意を表する。もし参加辞退したら、次の大会でペナルティーがあるから無理に参加したと思うけれど、FIFAもAFCもちゃんとその辺は考えてやらないといけないね。(日刊スポーツ評論家)