ボール回しごっこをしているのか。ウオーミングアップしてるみたいなサッカーを、満員の国立でやっていいのか。お客さんに失礼だろう。見ていて面白くないどころか、だんだんと腹が立ってきた。何で日本は前半38分に先制点を奪われてからも攻めに行かないのかな。まるでW杯のドイツ戦、スペイン戦のようだった。耐えて耐えて後半に逆転を狙う。ウルグアイはそんな相手ではないだろう。点を奪い返しに行かないといけないはずなのに。前半の残り7分を無駄にしたことに腹が立って仕方ない。

守備ラインの攻撃参加が今回のテーマの1つだと聞いたけれど、まったくその気配はなかったな。相手がちょっとプレッシャーをかけるだけで後ろでボール回しばかりしているし、ワンタッチパスがほとんどなかったんじゃないか。ベテランの長友、酒井を外して両サイドバックに若手を起用したのに、オーバーラップがなかった。これで攻撃に厚みが出るわけないだろう。

後ろで安全にボールを回して、味方の足元に安全にパスをつないで、三笘や伊東ら攻撃陣の個人技に頼るサッカーで通用するほど、世界は甘くない。後半の途中から攻撃的な選手を入れて反撃に出ようとするのは、カタール大会と同じだな。W杯で何を学んだか。もちろん、課題は1試合で克服できるものではないし、世代交代も時間は掛かるだろう。でも、せめてのもの、変わろうとする意識は持ってほしかったし、ピッチ上で少しでも表現してほしかったね。(日刊スポーツ評論家)

日本対ウルグアイ 前半、頭で先制点を決めるウルグアイ・バルベルデ(撮影・江口和貴)
日本対ウルグアイ 前半、頭で先制点を決めるウルグアイ・バルベルデ(撮影・江口和貴)