すでにJ1残留を決めている8位アビスパ福岡が、降格圏18位大分トリニータ戦でクラブの歴史を塗り替えるー。11月3日の次節ホーム大分戦(ベススタ)で勝ち、メモリアルの勝ち点50(現在同47)到達を狙う。チームの士気も高く、前回5月の対戦で1-2で敗れた相手にリベンジする強い覚悟だ。

開幕前にクラブが掲げた今季目標は勝ち点50以上と10位以内。目指したルヴァン杯4強はかなわなかった。ただ、就任2年目の長谷部茂利監督(50)も「勝ち点50以上、10位以内という目標は選手に伝え確認している」といい明確。ここ数試合足踏みが続くが、練習からブレずに突き進んでいる。

福岡は16日ヴィッセル神戸戦で敗れたが、他力で残留を決めた。過去5度のJ1は01年以降、06年16位、11年17位、16年18位と成績が振るわず、わずか1年で降格。だが今季は、ついにJ1昇格から5年おきに昇降格を繰り返す「5年周期」を断ち切った。“エレベータークラブ”と、からかわれることもあった弱小時代からの決別だった。

ただ神戸、北海道コンサドーレ札幌との直近2試合はいずれも無得点で未勝利(1分け1敗)に終わった。特に0-1で屈した神戸戦はシュート4本に抑えられるなど、決定力不足の課題を露呈してきた点が気にはなる。堅守カウンターの精度向上で、4試合ぶりの勝ち点3奪取に結びつけてもらいたい。

とはいえ、残り5試合で、降格崖っぷちの大分も負けは許されず、死にものぐるいで来るはずだ。魂がぶつかり合う“九州ダービー”だからこそ、福岡がここまで積み上げてきたチームの真価が問われる。【菊川光一】