J1最終節の川崎フロンターレ対横浜F・マリノス(4日、日産スタジアム)は、得点王を争う両エース、FWレアンドロ・ダミアン(32)とFW前田大然(24)の一騎打ちとなった。ともに今季22得点で、3位に7点差をつけて得点ランキングを引っ張っている。より多くゴールを決めたほうが、得点王になる。

この試合では、アシスト王も決まりそうだ。最終節を残して、J1アシストランキングは以下の通り。

1位 DF山根視来(川崎F) 12アシスト

2位 MF水沼宏太(横浜) 9アシスト

3位 FWレアンドロ・ダミアン(川崎F)、FW相馬勇紀(名古屋) 8アシスト

5位 MF荒木遼太郎(鹿島)、MF瀬古樹(横浜FC) 7アシスト

※データはJリーグ公式サイトより

前々節まではDF山根とMF水沼が競っていたが、前節で2アシストを記録した山根が、2位以下を一気に突き放した。

注目したいのは、2位の横浜MF水沼。今季35試合に出場しているが、先発での出場はたった1試合にとどまっている。それでもアシストランク2位に入るなど、とりわけ右からのクロスで決定的な仕事をこなしている印象が強い。9アシスト中5アシストが、試合終盤ラスト10分でのプレーだった。

Jリーグの公式発表によると、今季34試合に途中出場している水沼は、年度別J1途中出場試合数ランキングで歴代1位に躍り出たという(2位は30試合。今季は例年より年間試合数が4試合多い)。コロナ禍で昨季から交代枠が増えたことも影響しているとみられるが、監督の信頼が厚いことがよく分かる。

今季の出場時間を合計すると、664分。試合数にすると、約7・4試合だ。その中で9アシストを記録しているのは、驚異の“仕事率”といえる。最終節での大逆転アシスト王は難しいかもしれないが、水沼のこの仕事率にはぜひ注目したい。【杉山理紗】(ニッカンスポーツ・コム/サッカーコラム「サッカー現場発」)