森保一監督(49)率いる東京五輪世代のU―21(21歳以下)日本代表はU―23マレーシア代表に接戦の末1―0で競り勝った。後半43分に途中出場のFW上田綺世(あやせ、19=法大)が自ら獲得したPKを決めて逃げ切った。

 カウンター狙いで5バックで引くマレーシア、ボールを保持して攻め込む日本の構図で進んだ。1トップのFW前田大然(松本)、2列目に入ったFW旗手怜央(順大)、MF岩崎悠人(京都)の「快速トリオ」が積極的に仕掛ける。前半31分には旗手のスルーパスに抜け出した前田が好機を迎えるも、ペナルティーエリア内で放ったシュートは大きく枠をそれた。続く34分には旗手が左サイドでボールを受けて自ら持ち込み左足でシュート。グラウンダーの鋭いボールが右下をとらえたが、GKの好セーブにあった。

 一方でマレーシアの武器であるカウンターを浴びてゴール前にスルーパスを送られ、ヒヤリとするシーンも。後半10分すぎには立て続けにフリーでシュートを放たれ、30分すぎには自陣内で連係の乱れからボールを奪われ、打たれたミドルシュートがポストを直撃。先制したあとのロスタイム4分間も怒濤の攻撃を受けたが、なんとかしのぎきった。

 森保監督は前日23日に50歳の誕生日を迎えたばかり。「今までどおりできることを精いっぱいやって、こつこつと前進していきたい」と、気持ちを新たにしていた。50歳にして背負う、日本人初のA代表との兼任という重責。「(兼任は)正直自分でも予測、想像がつかない」と、身が締まる思いを口にしていた。まずは20年東京五輪でのメダル獲得を目指し、臨んだ節目の1年での初戦。前日練習後には選手から氷水をかけられる手洗い祝福を受け「ともに戦う仲間と誕生日を迎えられてうれしい。ぜひ白星を」と意気込んでいた。苦しい試合を乗り切り、準々決勝へ駒を進めた。