日本代表の各ポジションでロンドン世代が主力を担った。08年の北京五輪世代で、12年のロンドン五輪にもオーバーエージ枠で出場したDF吉田麻也(29=サウサンプトン)が今回の最終予選のMVPといえるが、その他にロンドン世代のDF酒井宏樹(27=マルセイユ)、MF山口蛍(26=セレッソ大阪)、FW原口元気(26=ヘルタ)が日本のW杯予選突破に大きく貢献。その3人がそれぞれのポジションで持ち味を発揮した。

 右サイドバックの酒井宏はDFでは吉田の900分に次ぐ2位の795分に出場。クロス数がチーム最多だったように得意の高速クロスでチャンスを演出し、同じくロンドン世代のMF清武と並びチームトップの3アシストをマークした。

 ボランチの山口はMF最長の653分に出場。持ち前の球際の強さを発揮した。タックル数、インターセプト数はチーム最多で、ハリルホジッチ監督が求める「デュエル」を体現。16年リオ世代のMF井手口の台頭もあったが、予選を通じて中盤の要として日本の守備を引き締めた。

 原口はFWでは最長の703分に出場。ドリブルで相手守備網を突破し、最終予選では日本代表史上初となる4試合連続ゴールを達成した。通算4得点はチームトップで、2位はリオ世代のFW久保と浅野の2ゴールだった。

 本田、香川、岡崎らここまで日本を支えてきた選手が出場機会を失いつつある一方で、20代前半のリオ世代が台頭。そんな中、はざまのロンドン世代が輝きを放ち、日本は6大会連続6度目のW杯出場を決めた。【石川秀和】