【リール(フランス)8日】日本代表に初招集されたMF長沢和輝(25=浦和レッズ)が、10日のブラジル戦でデビューする可能性が高まった。王国相手にトップ下での起用が急浮上した。日本はブラジルに国際Aマッチで過去0勝2分け9敗と未勝利。4得点31失点とまったく歯が立たないが国際Aマッチ経験ゼロの未知、いや無限の力で王国に挑む。

 

 秋も深まり、ここリールにも黄金色の落ち葉が舞っている。パリの北、ベルギーに近いこの地に自宅があるハリルホジッチ監督によれば、この時期は曇りばかり。8日もそうだった。だが6日から2日間は珍しく昼間に太陽が。何と2日連続で日が照った。7日の非公開練習後、ハリルホジッチ監督は「太陽が出ていますね」と上機嫌だった。機嫌がいい理由は、太陽だけではないはずだ。練習で新星・長沢の輝きを認めたからかもしれない。

 初招集の長沢に、いきなりブラジル戦でデビューの場が用意される可能性が高まった。8日も、公開された練習冒頭のビブス分けは主力と目される組だった。7日の練習後に「チーム(浦和)でやっているところと近い、1・5列目が攻守で良さが出せるかなと思います」と言ったまさにその位置での起用が浮上。7日の非公開練習では中盤を三角形にする、ダブルボランチ+トップ下の布陣をテストしたようだ。先発抜てきの可能性もある。

 背番号は25。招集25人の“最後尾”になるが、かつてケルンでプレーした元海外組。初招集でも「海外でやっている時に、オフで一緒にご飯食べた選手とか、知っている選手が多くいるから、そこまで気を使うことなく入れた」とすんなり溶け込んだ。プレーも海外仕様に微調整するだけでいい。「サッカー選手として代表にいくのはすごくうれしいことですし、チャンスでもある」。王国相手に猛アピールしロシア行きのチケットも狙う。【八反誠】