【リエージュ(ベルギー)25日】半年ぶりに復帰した日本代表FW本田圭佑(31=パチューカ)が勝利のために“全部やる”。明日27日のウクライナ戦で昨年9月5日のW杯(ワールドカップ)アジア最終予選サウジアラビア戦(ジッダ)以来の先発の可能性が浮上。あと1点で、日本代表の国際Aマッチ通算1200得点という節目が目前。1000得点目をゲットしている本田が、史上初2度目の記念弾を狙う。

 本田が、仮想ポーランドとなるウクライナ戦で停滞ムードを変える。非公開で行われた25日の練習でも入念にFKをチェックしたという。プレーするメキシコとは気圧、ボールも違う。W杯公式球の感覚を左足に刻み込んだ。右FWで先発する可能性も出てきた。

 勝利のために全部やる。「ビルドアップ(組み立て)の段階では起点に、最後のところは仕留めるプレーを。守備、ビルドアップ、仕留めるところ、もちろん全部やらなきゃいけない。とにかく僕は結果にこだわる。チームとしてその雰囲気は作っていきたい」。

 仮想セネガルの格下マリ戦(23日)は引き分けが精いっぱい。途中出場で20分プレーも見せ場なし。チームは内容も結果も散々だった。現状を「ちょっと余計なことにもとらわれすぎていて、議論のポイントも、全体的にレベルが低いようなことも多すぎる」と冷静に分析。そして対象は日本サッカー界全体だとし、メッセージを発した。

 「誰ひとり、無関係ではない、関係者であれば全員が。フィロソフィー(=哲学)は情報の中で築かれると思っている。会話1つのレベルをとっても、選手もスタッフもメディアもサポーターも、その基準が本当に低くなったなと、4年前からみると思います。善戦すれば合格になった。もう1度、背伸びしていいんですよ。僕は理想がなかったら、サッカーなんてやるべきではないと思うので。理想を追い求めてナンボ。全員で理想を築いていかないと」

 もっとも、W杯本大会へ、当落線上ともみられる立場で語ってばかりもいられない。結果で示し説得力を持たせる。ウクライナ戦の1点目は日本代表の国際Aマッチ史上1200点目の節目になる。1000点目を決めた本田が、初の2度目の節目弾を、W杯ロシア大会へのラストスパートの号砲にする。【八反誠】