日本代表の西野朗新監督(63)が12日、就任会見でメンバー選考の基準を明かした。ラージグループ(大枠)で「100人に近い」候補がいると発言。W杯まで62日と時間がない中、メキシコ1部パチューカの本田、ドルトムント香川ら主軸の最終確認を念頭に、海外組視察のため「世界一周」する可能性も示唆した。

 人数制限がある中で詰めかけた報道陣205人の前で、西野新監督が焦点の選考基準を説明した。技術委員長の立場でハリルホジッチ前監督と作成してきた50人前後のリストが「ベースになる」と明言。そこに、おそらく「一芸を持った選手」という意味で使ったと思われる「トピック」も加えると、大枠候補は「100人に近い」と言った。そこから35人、23人と絞っていく大仕事に取りかかる。

 具体名こそ挙げなかったが「メキシコは4月にリーグが終わる」「(負傷で)6~8週にわたって試合に出ていない、経験と実力ある選手がいる」と発言。パチューカ本田とドルトムント香川を指しており、時間が許す限り「海外組の状況を見たり、自分の考えを発信したい」と口にした。仮に2人の視察を中心に行程を組めば、欧州と中米を通る「世界一周」視察を行うことになる。期限5月14日のW杯予備登録メンバー35人選出まで1度も活動はない。「ここ1カ月の状態を正確に見極めて、最高の化学反応を起こしたい」。そのために必要な情報を集めるべく、地球を飛び回る。

 縦に速く、のハリル流は日本人のフィジカルに合わないと判断し「日本が構築してきたフットボール、技術を最大限に生かしたい」と方向性は改める。その中で「ユニット」で連係できる技巧派の抜てき、志向する攻撃的なサッカーを恐れない「スピリット」を持った選手、特長ある「トピック」が集まれば「勝つ確率が高まる可能性は1%、2%どころではない」と計算する。時に横文字の多い発言をまとめると、おぼろげながら西野監督の描く代表が見えてくる。【木下淳】