パリオリンピック(五輪)アジア最終予選を兼ねるU-23アジア杯カタール大会で、日本(B組2位)が開催国のカタール(A組1位)を延長戦の末に4-2と破り、4強に進出した。五輪出場に王手をかけた。

唯一の大学生プレーヤーFW内野航太郎(19=筑波大)がダメ押しの4点目を奪った。3-2の延長後半7分、左CKの流れでMF川崎颯太(22=京都サンガF.C.)の放ったシュートのこぼれ球を押し込んだ。「形は何であれ、1点生まれたのは自分にとってでかいかなと思います」とホッとした様子で振り返った。

点取り屋の嗅覚が働いた。「あそこにいられるのが自分らしいかなと思います」。CKでニアでつぶれると、すぐに次のプレーに切り替え、味方のシュートに反応した。「シュートを打ったらこぼれに詰めるのは、FWである以上当たり前。自分の中ではいうまでもない。日常の中でやっていることが自然と出た感じ」とうなずいた。慌てることなく「おいしい~」と思いながら押し込んだ。

結果で評価を一変させた。1次リーグ3戦で自身も含めてFW陣が無得点。批判された。「FW陣が無得点だとか言われて、『うるせえな』と思っていた。1回黙らせてやろうと思ってピッチに入りました」。ゴールパフォーマンスは、右手を心臓に当てる普段のものではなく、両耳に手を当てた。決勝点のFW陣が無得点。細谷真大(22=柏レイソル)が行ったものと同じだった。「真大君とかと話をしていたわけではないんですけど、結果的にパフォーマンスがかぶっていた。あとから気づきました」。五輪切符がかかる準決勝以降の爆発に期待がかかる。