ワールドカップ・ロシア大会(6月14日開幕)を目指すMF香川真司(29=ドルトムント)が14日、ドイツから千葉・成田空港に帰国した。2月に左足首を負傷。12日のブンデスリーガ最終節で復帰したばかりだが、不安視される状態について「全く問題ない」と強調した。クラブでは幕を閉じたが「今シーズンはW杯まで終わらない」。国際サッカー連盟(FIFA)へのW杯予備登録メンバー35人の提出期限となった日に、2大会連続出場へ意欲を示した。ケルンFW大迫勇也(27)も香川と同便で帰国した。

 

 何を言われようが、どう思われようが、香川には自信がある。帰国し、報道陣に囲まれると「けがは全く問題ない。皆さんが思っている以上に問題ないことを強調しておきたい。あとはコンディションを上げていくだけ」。必ずW杯に出る覚悟を、ほとばしらせた。

 12日の最終節ホッフェンハイム戦で3カ月ぶりに復帰した。2月10日ハンブルガーSV戦で左足首を負傷して以来のピッチ。後半30分からの途中出場で得点はなくチームも敗れたが「練習には合流していたし、少し心配かけましたが、問題なかった」。W杯開幕までちょうど1カ月。土壇場だが「十分に時間はある」と本人の中では逆算がある。

 オフ返上が最低条件だ。「僕の場合、休んでいる暇はない。欧州で(けがせず)やってきた選手は休みが1週間あると思うけど、僕はしっかり練習して備えたい」。18日の国際親善試合ガーナ戦(30日)のメンバー発表を待つことなく今日15日から国内で自主トレを始め、21日からの日本代表合宿(東京近郊)まで1日たりとも休むつもりはない。

 日本代表の西野監督が悩んでいることも、分かっている。ドルトムントの視察に来た4月2日は、練習している姿を見せられなかった。その前日に左足首を再び痛め、MRI検査を受けていたためだ。指揮官から「W杯へ気持ちの強さは感じるが(状態との)ギャップがある」と不安視されているが、すぐ復帰はしていた。「けがする前は、自分のキャリアで一番と言っていいくらいのパフォーマンスを出せていた」。そこに近づいている感覚がある。

 この日の予備登録35人FIFA提出を経て、いよいよW杯メンバーが絞り込まれていく。「本大会まで1カ月。新しい監督の下、本当にやるだけ。覚悟を持って」-。2度目のW杯へ不退転の決意だ。【木下淳】