日本サッカー協会(JFA)は1日に都内で会見を行い、U-17(17歳以下)女子日本代表“リトルなでしこ”を率いる楠瀬直木監督(54)について、「JFA職員に対する不適切な行為があった」として監督の交代を決めたことを発表した。

「不適切な行為」について楠瀬監督本人も認め、10月31日付で辞任を申し出て受理された。会見に出席した田嶋幸三会長は「指導者には高い倫理観と規律が必要なのは言うまでもない。まことに残念。ファン、サポーターの方々に迷惑をかけ、世間をおさわがせしたことを大変申し訳なく思っている」と謝罪した。U-18女子日本代表の池田太監督が代行を務める。

JFAによると、楠瀬監督は昨年6月、業務中に屋外で女性職員にハグをし、同職員が不快感を覚えた。今年9月にも接触があったといい、この2回の行為について当事者に複数回のヒアリングを行った。結果を女子委員会にはかり、今回の決定に至った。楠瀬監督からは「大変ご迷惑をおかけして申し訳なかった」との謝罪があったという。

U-17女子日本代表は11~12月にU-17ワールドカップ(W杯)ウルグアイ大会を控え、1日から事前合宿に入るところだった。チームスタッフには31日に、この日集合した選手にはバス内で、今井純子女子委員長から事情が説明された。会見にも出席した今井女子委員長は「この厳しい事実にしっかり向き合い、対処することで、今後このようなことがないようにしていきたい」と神妙な面持ちで話した。