金メダル獲得の鍵を握るのは“パイ”だ! 東京五輪世代のU-22日本代表が11日、広島市内で合宿をスタート。同代表国内初の親善試合U-22コロンビア戦(17日、Eスタ)に向けて、1時間弱軽めに調整した。森保監督が「ベストメンバー」と胸を張った招集発表時から、負傷などでMF遠藤(横浜)MF田中碧(川崎F)ら4人の選手が入れ替わったが、監督代行の横内コーチは候補を増やす意味での“パイ”を強調した。

合宿初日のピッチに現れたのはたった14人だった。12日に広島入り予定のMF久保、堂安らの姿は当然なく、J1で主力として活躍するMF遠藤、田中碧も負傷のため不参加となった。“ベストメンバー”と考えると寂しい合宿の始まりだが、「東京五輪で金メダル」に向けて、この合宿が持つ意味合いは大きい。

監督代行を務める横内コーチは、「今はいかにパイを増やし、クオリティーを増やしていくか、というところ」と言った。五輪まで9カ月を切っても、メンバーは固定しない。「今コアな選手を集めてずっとやるのは、たぶん無理。ケガもあるし、クラブとの交渉など、いろんな制約がある中でやっていかないといけない」と、直前でのアクシデントも想定している。

事実、16年リオ五輪では当時ヤングボーイズに所属していたFW久保裕也が、クラブの“招集拒否”により直前で参加できなくなった事例がある。「そうしたとき『選手がいなくなったら』じゃなくて、『こういう選手がいたので、チームとしてはクオリティーが下がらない』というパイを増やしていかないといけない」と横内氏。“パイ”の底上げが、引いては五輪代表を強くする。【杉山理紗】