日本代表初招集のDF菅原由勢(ゆきなり、20=AZアルクマール)が、9日にオランダで行われた国際親善試合カメルーン戦に途中出場し、国際Aマッチデビューを飾った。
同じ名古屋グランパスの下部組織育ちで、同じく名古屋でプロになり、同じようにオランダのクラブで海外挑戦の第1歩を踏み出した、尊敬するDF吉田麻也主将(32=サンプドリア)と、同じピッチに立ってプレーした。
1つの夢をかなえ、大きな1歩を踏み出した菅原に、先輩の吉田が10日に、古巣・名古屋のツイッターでの“いい話”を引用しつつ「由勢A代表デビューおめでとう!」とツイート。
これに菅原は「ありがとうございます! 2年間もお待たせしてしまい、すみませんでした!」と返答した。
「2年間もお待たせ」という菅原のつぶやきには、訳がある。
名古屋グランパスの祝福ツイートがまさに“いい話”。その内容は次のようなものだった。
「2018FIFAワールドカップのメンバーに選出された吉田麻也選手へ、当時のグランパスU-18から寄せ書きが送られました。殆どの選手が『頑張ってください』とメッセージを送った中で、一人だけ『待っててください』と書いた選手がいたと吉田選手が教えてくれました」
「待っててください」と書き、2年後に「お待たせしました」-。
できすぎた話だが、代表入りを勝ち取った若者と、その座を守り続けた先輩の互いの努力があってこそ、実現した物語だ。
若くして代表デビューした吉田だが、尊敬する大先輩、GK楢崎正剛とともに、代表でプレーする目標はかなわなかった。
1人の若者の国際Aマッチデビューの裏に、こんな物語があった。
菅原は将来、後輩たちを日本代表というステージで待ち続け、ともにプレーすることはできるのだろうか。
頑張り次第で、夢は続いていく。