サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」(FIFAランク11位)は、東京五輪メンバー18人の発表前最後の国際親善試合で、メキシコ代表(同28位)に5-1で勝利した。途中出場のFW遠藤純(21=日テレ東京V)は代表初ゴールを決め、これがなでしこジャパン第999号とメモリアル王手弾に。18歳MF木下桃香(同)も初ゴールを決めるなど、前線の選手たちが結果を残した。

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東京五輪メンバー発表前最後の2試合が終わった。実力に大差があったウクライナ戦、プレスの強度やフィジカルの違いに苦戦したメキシコ戦を振り返ると、サイドバック(SB)のアピールが足りなかったように思う。今回の活動に呼ばれなかった左SBの鮫島彩(33=大宮)が、逆転で五輪メンバーに入るのではないか。

同ポジションは、ウクライナ戦では北村が、メキシコ戦では宮川が務めた。ともに致命的なミスがあったわけではないが、積極的に前線の連係に加わる場面は少なかった。大舞台での経験豊富な鮫島の力は、苦しい時間帯が多く予想される五輪本番で生きるはずだ。ユーティリティーな宮川もメンバーには入るとみた。

2試合ともにフル出場した選手は、主将の熊谷と右SB清水、ボランチ中島の3人。高倉監督は「軸になっていく選手」と、欠かせない存在であることを明言した。18人と少ないメンバーで戦う五輪では、複数のポジションができる選手が有利だが、指揮官は「交代でアクセントを付けられる選手」を入れたいとも話した。その点、短時間で結果を出した遠藤と木下も、最終候補に入るだろう。

センターバック熊谷の相棒は、ウクライナ戦で宝田が、メキシコ戦では南が務めた。2人とも縦パスで攻撃につなげる場面が多く、守備も安定していた。ボランチは三浦、中島に杉田を加えた3人でローテーションか。杉田は2試合とも途中出場だったが、これまでの評価を含めて五輪メンバーには入りそうだ。【杉山理紗】