タイカがタイキの片りんを見せた。24年パリ五輪を目指すU－21（21歳以下）日本代表候補が合宿最終日の11日、千葉県内で全日本大学選抜と練習試合（35分×2本）を行った。0－2で敗れたが、初選出となった売り出し中のFW中島大嘉（19＝札幌）がポテンシャルの高さをうかがわせた。

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188センチのビッグな体でゴールに迫った。前半25分、中島はスピードとパワーで左サイドを攻めた。惜しくもGKに阻まれたが、出場35分でつくった見せ場。「点を取れてたら、試合を見てない人にも、もっとインパクトを与えられてたと思うんですけど…。悔しいですね。中島大嘉をもっと。玖生（松木）に負けないくらい有名になりたいです」と笑った。取材エリアで並んだ東京の大型ルーキーMF松木を横目に、ちょっぴり悔しさをにじませた。

締めくくりの練習試合で敗れたが、合宿を通じ、収穫も得た。「ポジティブな3日間になった。すごく楽しかったです。今日の合宿で、かなり自分への期待は増しました」。強烈なヘディングと得点力。同世代の仲間たちと過ごし、自身の武器を再確認した。試合後には大岩監督と2人で話し込み、今後に向けてやるべきことを確認。「サッカーIQを伸ばしていきたい」。さらなる成長への課題を掲げた。

札幌では今季6得点。パワフルなプレーから、ノルウェー代表怪FWになぞらえて「和製ハーランド」との声もある。「和製ハーランドとか言われてますけど、中島大嘉という名前を残したいので、まだまだやなって」。ビッグな夢とともに、パリ五輪へ向けてビッグに成長する。【磯綾乃】

◆中島大嘉（なかしま・たいか）2002年（平14）6月8日、ワールドカップ（W杯）日韓大会の1次リーグの期間中に大阪府で生まれた。小学時代はアイリスFC住吉、中学はリップエースなどでプレーし、長崎・国見高へ。昨季はJ1リーグ3試合0得点。今季はここまでルヴァン杯5試合4得点、J1で8試合2得点。50メートル6秒0。188センチ、77キロ。利き足は「頭」。

 

○…視察に訪れたA代表の森保監督の目の前で、大学生相手に0－2で敗れた。大岩監督は「結果は非常に反省すべき結果だと思う。もっとできる選手たち」と振り返った。チームとしての活動が始まったばかりで連係などに課題はあるが、ボール支配、個人の局面の打開を改善点に挙げた。それでも「積極的に、前向きにトライしている選手も見受けられた。手応えは半々くらい」。アジア・カップ（6月1～19日、ウズベキスタン）で課題を克服できるか。