日本代表に12年以来、10年ぶりに選出されたFW宮市亮(29=横浜)が18日、東アジアE-1選手権(19~27日)へ向けてオンライン取材に対応し、日の丸を背負う喜びをかみしめた。

愛知・中京大中京高からプレミアリーグの名門アーセナルの門をたたき、19歳で代表デビューを飾った男。「膝の前十字靱帯(じんたい)を3回目損傷した時に、手術したら引退をしないといけないかもと言われた。このままキャリアが、終わってしまうかもという時があって。プロ選手で居られることは当たり前ではないと。出られない時期も、サッカー選手としてやれていることも幸せに感じていた」と話した。

度重なるけがに悩まされ、先が見えないリハビリに苦しんだ。支えてくれたのは、海外で活躍する日本代表の先輩たち。「個々に名前を出すと、キリがないですけど、いろんな先輩が、けがの時にポジティブな言葉をくれたり、代表選出の際にも『ここからだぞ』と言ってくださった」とうなずいた。そして続けた。

「吉田麻也選手は、10代からお世話になっている先輩。けがの時からアドバイスをくれたり、代表の話も聞かせてもらって。『選ばれたことに満足せずに、もっとここから自分を出して頑張ってほしい』と言ってくださった」と感謝した。

人間性に変化が生じた。「10代でデビューして、自分の中で大きな理想を描いていた。野心を持ちすぎていた。でも、今はあまり先を見なくなった。1日、1日、生活出来るというか、歩けなくなって、歩けるようになった喜びも知って。次のトレーニング、次の試合という感じ。本当の意味で感謝が出来るようになった。周りの支えがあってのこと」と話した。

けがで苦しむ人々の希望となる。「けがで苦しんでいるアスリート、サッカーできない人も多いと思う。でも、今リハビリやっている時間が、いつか報われる時が来る。自分のような引退宣告された選手が、日本代表に返り咲くというか、また入れるチャンスも必ずあると思う。勇気づけられるようなプレーをしていきたい」。ピッチの上で、元気な姿を届ける。