何げない差が、そこにはあった。国内組で編成された日本代表は、東アジアE-1選手権で13年大会以来、2度目の優勝を果たした。国内組にとって、W杯前、事実上、最後のアピールの場となったが、海外組との距離を感じた。

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何げない差。それは、何げないようで、大きな差のようにも感じた。東アジアE-1選手権。日本は韓国に3-0で勝利し、13年大会以来、2度目の優勝を果たした。スコアだけ見れば、快勝だろう。ただ、ちょっとしたズレが気になった。前半からミスが目立った。DFラインでは、CB畠中、左SB佐々木の不用意なパスミスで、韓国の攻撃を許す場面も。中盤では、ボランチの岩田のパスコースが何度もずれ、簡単に相手ボールとなった。

海外組と比較した時に、DF冨安、アンカーのMF遠藤がビルドアップでパスミスを犯す場面は、そうそう見ない。中盤での細かいパス交換でも、MF田中、MF守田らは高精度のパスコース、スピードを維持する。この試合、失点はしていない。ただ、世界と戦う時は何げないミスが、命取りとなる場合がある。W杯ではドイツ、スペインと世界レベルが待ち受ける。世界の猛者は、そうしたミスを簡単に突く。反対に、簡単にミスはしない。

E-1選手権で大会MVP&得点王に輝いたMF相馬、得点王のFW町野、ボランチで存在感を示したMF藤田らは、9月に行われる欧州遠征(23日米国戦、27日エクアドル戦)で“追試”の可能性は残した。ただ、海外組との差はまだ確かにある。それは、ちょっとしたパスの精度、スピード、コース…。それらを完璧にこなすのが世界レベル。何げない差を埋めない限り、W杯メンバー入り、世界に追いつくことは難しい。【栗田尚樹】