【デュッセルドルフ(ドイツ)27日=岡崎悠利】日本(FIFAランク24位)がエクアドル(同44位)と0-0で引き分けた。W杯カタール大会での連戦をにらみ、23日の米国戦からスタメン全員を変更。南米予選を勝ち抜いた強豪を相手に互角に渡り合い、本番での大幅なメンバー変更もめどが立った。23日の米国戦も通じてたしかな収穫を手にし、選手の代表でのアピールは終了。森保一監督(54)は今回のメンバーを中心に、本大会に連れていく26人を選ぶ。

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W杯で史上初のベスト8進出を掲げる森保ジャパンが、厳しい1次リーグを勝ち抜く手応えを得た。米国戦からスタメンを全員変更して臨んだエクアドル戦。押しこまれる場面もあったが、GKシュミットによるPKストップもあって無失点に抑えた。森保監督は「難しい試合を我々のペースに持っていく。そのことを見据えて選手は頑張ってくれた」とたたえた。

本大会の第2戦、コスタリカ戦を見据えた起用だった。ドイツとの初戦から中3日。さらに続くスペインとの第3戦をにらみ、コスタリカ戦はどれだけ初戦で消耗した選手が回復できるかがカギになる。大幅な選手変更を強いられる可能性もある。指揮官は「2チーム分の戦力が必要になる」と、極端とも言える総入れ替えを敢行した。

まずは失点しないことがW杯を勝ち抜くカギ。DF谷口のPK献上は敗戦に直結するミスではあるものの、南米予選を勝ち抜いたエクアドルの攻撃を抑えきったことはW杯に向けて明るい材料だ。指揮官は「公式戦で言えば勝ち点1をとれたのはよかった」と前向きに話した。

直近で欧州組が集まった6月もメンバーを大きく入れ替えながら戦った。ただ戦術に共通認識がないと、選手からは不満の声も漏れていた。今回の活動ではMF鎌田は「練習もミーティングも変わった」と明かす。ピッチに立つ顔ぶれががらっと変わっても、プレスのかけ方やボールの奪いどころは統一された。

次に集まるのはいよいよW杯に選ばれた26人になる。森保監督は「まず所属クラブで勝たせるプレーをして、存在感を放ってもらいたい」とぎりぎりまで状態を見定めたい考えを口にした。新たな歴史を作る大会にするために、日本代表は着実に前進した。